確実に妊娠したくない、という考えなら、パイプカットはかなりおすすめの方法です。女性側が行う避妊方法もありますが、例えばピルを飲む方法だと副作用の問題も伴います。その点、パイプカットは確実性も高くほぼ100%の確率で避妊することができます。どのような手術を行うのか、費用の相場や注意点など、事前に基本的な情報を把握しておけば不安に感じることもないはずです。
日本ではまだ保険は適用されませんが、海外では既に健康保険の適用対象になっているぐらい、ポピュラーな避妊手術方法で、安心感も抜群です。望まない妊娠で人生計画が狂うことなどを考えると、検討する価値のある避妊方法であることは間違いありません。
ピルにはないパイプカットのメリット
パイプカットは男性側が行う避妊方法ですが、手術を行う最大のメリットは確実に避妊できることです。コンドームを使っていても妊娠する可能性はあります。一方、パイプカットの避妊率は約100%なので、絶対に妊娠したくないと考えている男女に最適な方法です。
しかも、一度手術を受ければ性行為の度にコンドームを装着する必要はありません。女性の避妊方法としてピルも有名ですが、基本的に毎日飲まなくていけない上、倦怠感などの副作用のリスクも高い方法です。毎月お金もかかります。
パイプカットは手術後、普段通りの日常に戻ることができますし、副作用の心配もありません。ただし、一度手術を受けてから「やっぱり赤ちゃんが欲しい」と考えが変わってしまうと、復元手術が難しい方法でもあります。もちろん、精管をつなぎ直すことは可能ですが、年齢によっては生殖機能が衰えていることもあるので、必ず元通りになるとは限りません。
その為、医療機関によっては未婚で年齢も若い男性の手術を断る場合もあります。もちろん、医師を説得できるほどの事情がある場合は手術して貰えますが、専門医療機関で詳しい説明を受け、納得の上で契約しましょう。パートナーとの合意も必要です。手術を行う以上感染リスクなど多少のリスクも伴いますが、絶対に妊娠したくないという強い意思をお持ちの方にとって、パイプカットほど望みを叶えてくれる避妊方法はありません。
パイプカット手術の方法
パイプカット手術はどのようなアプローチを行うのか、気になっている方も多いでしょう。パイプカットの正式名称は精管結さく手術と言いますが、外科的な手術によって陰嚢の中にある管を引っ張り出し、双方の断面を塞ぎます。この処置によって精子の通り道が行き止まり状態になり、精液の中に精子が混ざらないようにします。
管は身体の表面に小さな穴を開けて引っ張り出すので、身体にかかる負担は大きくありません。手術自体そう難しいものではなく、大掛かりなものでもありません。カウンセリングを受けて手術を受けることを決めたら、手術の日取りを決めます。手術前に手術同意書に必要事項を記入し、剃毛してから手術台に上がります。
手術中は局所麻酔を5ml前後注入するので、強い痛みに耐える心配もありません。使用する針もほとんど痛みを感じない極細の専用針を使います。切開するところも1cmから2cmほどの長さなので、身体に強い負担がかかることもありません。手術自体は30分程度で終わりますが、念のためしばらく安静にして、術後の状態を確認するので術後も少し院内で休んで下さい。問題がなければそのままお会計を済ませ、帰宅することができます。
パイプカット手術の費用や後遺症の問題
パイプカットの費用は自由診療扱いになるので手術を受ける医療機関によってバラバラですが、安ければ10万円以下で済むクリニックもあります。効果はずっと続くので、アフターケアにお金がかからないところもこの避妊方法の大きなメリットです。また、本当に簡単な手術なので入院する必要はなく、基本的に日帰り手術で済むので入院費用はかかりません。一般的には15万円から20万円ぐらいが相場になります。もちろん、安全性を重視して最安値だけを追い求めず、十分にパイプカット手術の実績がある病院を選ぶことが大切です。
これまでに積み重ねてきた症例数が多く、カウンセリングでしっかり説明してくれるところなら安心です。条件に合う病院を求め、何カ所かカウンセリングを受けた上でもっとも理想的なところを選ぶ方も少なくありません。手術が成功すれば、後遺症の問題も心配ないでしょう。
手術を受けたあとも、精力が衰えたり、勃起する時に悪い影響が及ぶことはありません。切開する場所も陰嚢正中のシワに沿って切るので、術後の傷跡が目立って困ることもないでしょう。縫い合わせる時も、最近は抜歯の必要がない糸で2針程度縫合するだけで済みます。
まとめ
パイプカット手術は30分程度で済む簡単な手術で、入院する必要はありません。局所麻酔も打つので、痛みの心配もなく安心です。費用も安ければ10万円以下で受けられるので、他の避妊方法と比べてもメリットが多い方法です。
絶対に妊娠したくないと考えが固まっている場合、確実性から考えてみてもほぼ100%避妊することができるのは、パイプカットぐらいです。ピルのような毎日薬を飲む煩わしさや副作用のリスク、コンドームのように予期せぬ妊娠のリスクを伴わないので、これ以上こどもをつくりたくないと考える中高年世代にも人気があります。